Hasta mañana! また明日

日々のこと、旅のこと、海外移住準備のことを綴っています。ブログタイトルはスペイン語で「また明日」の意味。

コフィ・アナン元国連事務総長のメッセージ

2018年8月18日、コフィ・アナン元国連事務総長の訃報が流れました。

 

 

www.cnn.co.jp

 

 

1997年から2006年まで第7代国連事務総長を務め、2001年に秩序ある世界平和を作るための業績が讃えられて国連とともにノーベル平和賞を受賞した方です。難民支援や協調外交に生涯尽くし続けた生き方を尊敬していました。

 

慎んでご冥福をお祈りします。

 

 

 コフィ・アナン氏といえば

アナン氏といえば「モーガン・フリーマンに似てて見分けがつかない」とか「スーツの着こなしがお洒落すぎる」など、世界平和に貢献した実績だけでなく、スマートな佇まいから溢れる魅力も注目され、世界中の人から尊敬されていました。 

 

かっこいいだけでなく、圧倒的なビジョンとカリスマ性を持った人でした。

 

 

 

コフィ・アナン氏の実績について

世界平和を願う人はたくさんいるけれど、そのための行動を起こし影響を与えられる人ってどれくらいいるんでしょうか。

 

この機会にアナン氏の実績を調べてみました。

 

生誕と学歴

コフィ・アナン氏は1938年4月8日、当時イギリス植民地支配下にあった現在のガーナで生を受けました。英語、フランス語の他、複数のアフリカ言語が堪能であったそうです。

 

ガーナのマクシ科学技術大学で学び、1961年にアメリカミネソタ州セントポールのマカレスター大学経済学部を卒業。1961年から1962年にはジュネーブの国際高等大学で大学院過程を履修、1972年にはマサチューセッツ工科大学スローンマネジメントスクールで科学修士号を取得。

 

とても優秀かつ色んなことを色んな場所で学ばれていたのですね。

 

おもな経歴

1962年、ジュネーブの世界保健機関(WHO)の行政・予算担当官として国連組織に参加。その後世界各国の国連機関の様々な分野で活躍、ジュネーブの国連難民高等弁務官事務所に勤務、ニューヨーク国連本部では人材、予算、財務、職員の安全性に係る様々にな職を歴任。事務総長の就任直前は平和維持活動(PKO)の事務次長を任されています。

 

1990年にはイラクから900人以上の国連職員および非イラク国民の帰還を促進し、1995~1996年には旧ユーゴスラビアに関する事務総長特別代表として任務遂行するなど、事務総長就任前から、世界中の紛争地域や不条理な境遇に晒されている人たちを守り、命をつなぐ取り組みを実行されてきました。

 

国連機関たたき上げの事務総長

 その後、第7代国連事務総長に選出され、1997年から2006年まで任期を務めました。そのあいだには米国同時多発テロやイラク戦争など、世界の平和を揺るがす大変な出来事がありました。

 

アナン氏は「国連職員の地位から選出されたはじめての事務総長」として有名です。

 

それ以前は国際問題に携わってきた外交官や学者などが選出されてきました。

 

ちなみにアナン氏の後任である第8代国連事務総長の韓国・潘基文(パン・ギムン)氏は元々韓国の外交通商部長官を務めていた方だし、現在の第9代国連事務総長アントニオ・グレーテス氏は元ポルトガル首相なので、国連生え抜き事務総長はアナン氏だけとなります。

 

在任中の実績

たくさんあるので箇条書きにします。

 

  • アナン氏の主導で国連の平和維持機能を強化、活動と要員の急速な増加へ対応
  • 人権、法の支配、ミレニアム開発目標(MDGs)、アフリカに対する取り組みを一貫して支持
  • 民間企業や市民社会など、あらゆるセクターをパートナーとして考え関係を構築
  • 国連加盟国による2つの新しい政府間機関「平和構築委員会、「人権理事会」の創設
  • エイズ、結核、マラリアに取り組むための世界基金の創設
  • 史上初の国連によるテロ対策戦略の採用
  • 大量虐殺や戦争犯罪、民族浄化、人道に対する罪から人々を「保護する責任」を国連加盟国に認めさせる上での重要な役割を遂行
  • 「国連グローバル・コンパクト」を提唱
  • 1998年、ナイジェリアの民政移管の促進
  • 1998年、イラクの兵器視察などを含む決議順守をめぐるイラクと国連安保理の膠着状態の解決に尽力
  • 1999年、東ティモールのインドネシアからの独立に関与
  • 2000年、イスラエルのレバノンからの撤退を自らの責任で保証
  • 2006年、イスラエルとビズボラによる紛争中止に貢献
  • 2006年、カメルーンとナイジェリアのバカシ半島をめぐる係争解決の仲立ち

 

 

アナン氏の行動や判断で救われた人命や、平和が訪れた地域に思いを馳せると、自分がやってることって小さいなあとつくづく思います。

 

そして、私が今平和で安全に暮らせていて、こうしてのんきにパソコンぱちぱちできているのは奇跡なんだなと感じます。人生を選べない人たちがいる。そんな状況の中でも生き抜いている人たちがいる。そのことを忘れないようにして、自分や家族が健康に幸せでいられていることに感謝です。 

 

 

「国連グローバル・コンパクト」を提唱したのもコフィ・アナン氏です。

 

「国連グローバル・コンパクト」は、世界の企業を中心とした様々な団体が責任ある創造的なリーダーシップを発揮し行動することで、持続可能な成長を実現しましょう、という世界的な枠組みです。

 

1999年の世界経済会議(ダボス会議)の席上でコフィアナン国連事務総長(当時)が提唱しました。

 

国連グローバル・コンパクトに署名する企業

現在は世界164カ国で10,000近い企業・団体が署名しています。グローバルに展開してる企業の多くが署名しているのではないでしょうか。

 

日本では現在284企業・団体が加入しています。(2018年8月21日現在)

加入企業・団体リンク | グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン

 

ただし加盟するには一定の基準があるため、5年以上の活動実績が必要だったり、有名な企業でも環境対応が不十分だったりなんかすると加盟できないようです。

 

また、加盟後は年に1回Communication on Progressといわれる報告書を提出する必要があります。

 

国連グローバル・コンパクトの10原則

UNGCに署名する企業は、人権保護、不当労働の排除、環境への対応、腐敗防止に関わる10原則に賛同して、企業トップ自らのコミットメントのもとに、その実現に向けて努力を継続します。

 

世界の企業が同じ原則にコミットメントして、努力していきましょうというものです。

 

【国連グローバル・コンパクトの10原則】

  1. 人権擁護の支持と尊重
  2. 人権侵害への非加担
  3. 結社の自由と団体交渉権の承認
  4. 強制労働の排除
  5. 児童労働の実効的な廃止
  6. 雇用と職業の差別撤廃
  7. 環境問題の予防的アプローチ
  8. 環境に対する責任のイニシアティブ
  9. 環境にやさしい技術の開発と普及
  10. 強要や贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗防止の取り組み

 

 

コフィー・アナン国連事務総長(当時)のメッセージ

グローバル化が急速に進んだ1999年当時、その負の側面が露呈されてきました。負の側面とは、企業活動による環境破壊や人権侵害などです。もはや国家や国際機関だけではそのような課題は解決できないものとなっていました。

 

コフィー・アナン国連事務総長(当時)は、企業にグローバルな課題解決への参画を求め、世界の経営トップに呼びかけをしました。

 

“世界共通の理念と市場の力を結びつける力を探りましょう。民間企業のもつ創造力を結集し、弱い立場にある人々の願いや未来世代の必要に応えていこうではありませんか”

 

(1999年1月、世界経済フォーラムにおいて)

 

 

 資本主義社会の中で、営利企業と地球社会が持続可能な関係であるためには

このメッセージは、資本主義社会の中で企業が理念ある経営をすることで世の中を良くできるんだよ、という可能性を照らしてくれました。

 

国連グローバル・コンパクトは、国連という国と国との関係である機関が提唱しているのに、主役は「企業」です。

 

このことは、もはやグローバル化した世界が抱える環境問題や人権課題は、国同士だけで対応していても解決できないという危機感をあらわにしています。

 

「企業」が「国」以上にあらゆる面での影響力を持ち始め、その影響をネガティブなものにしてはいけないという思いから生まれています。

 

 

企業は利益を生み出すことで事業活動をする国に税金を払い、雇用を生み出し、世の中に商品やサービスなどの価値を提供しますので、現在の資本主義社会においてはならないセクターです。

 

その一方で、企業はさらなる利益を求め続けます。

 

人件費の安い国や地域の労働力を用いてコスト削減を図り、挙句の果てに児童労働や人権を無視した強制労働が行われているケースもありました。

 

発展途上国に工場をおき、その地域の環境に深刻なダメージを与えてしまうケースもありました。

 

ひとりの消費者として、自分が使っている商品やサービスがそのような悲しいストーリーの中で生み出されていると知ったら購入したくなくなりますよね。

 

これだと企業が発展すること=悪いこと、のようなイメージを持ってしまいますが、グローバル・コンパクトの10原則を世界の名だたる企業が遵守して、理念を共有して発展すれば、「企業の持続可能な成長=みんなの幸せ」につながると信じています。

 

 

 

コフィー・アナン氏のビジョンとメッセージは生き続ける

彼が残した言葉は、これからも色んな人の中で生き続け、彼がこの世を去っても描いたビジョンは人を惹きつけて未来を照らしてくれています!

 

 

f:id:shibuyaumeboshi:20180821205356j:plain

 

 

 

※本記事作成にあたって参考にしたサイト

  • 国際連合広報センターHP

   http://www.unic.or.jp/activities/secretary-general/list_sg/annan/

  • 国連グローバル・コンパクトHP(UNGC)

   https://www.unglobalcompact.org/

  • 国連グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンHP(GCNJ)

   http://www.ungcjn.org/gc/principles/index.html

  • NHK NEWS WEB

          http://www3.nhk.or.jp/news/html/20180819/k10011581901000.html