Hasta mañana! また明日

日々のこと、旅のこと、海外移住準備のことを綴っています。ブログタイトルはスペイン語で「また明日」の意味。

42億円燃やして捨てたバーバリーの新たな決断

 

イギリスの高級アパレルブランドバーバリーが、売れ残り商品の焼却処分をやめると発表。

 

www.bbc.com

 

 

なぜ42億円もの余った商品を焼却処分していたの?

バーバリーなどの高級ブランドは、売れ残った商品が安く売られることでブランドの価値が下がることを嫌がります。

 

それを防ぐために、バーバリーは2017年の一年間で42億円相当もの商品を焼却処分。過去5年間にわたっては131億円相当とも言われています。

 

バーバリーは売れ残りの焼却処分を中止するのと同時に、動物の毛皮を商品に使わない方針も発表。ちなみにグッチも毛皮を使わないと表明しています。

 

燃やしちゃうなんて、自分たちの商品は誰も欲しがらない価値のないものだと自分で言っているようなものだと思いますけどね。

 

バーバリーの経営方針を変えた背景

環境保護団体が高級ブランドを糾弾する行為は昔からありますが、なぜ今になって、バーバリーはこのような決断をしたのでしょうか。

 

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映画SEX AND THE CITYの一場面。NYのファッションウィークで毛皮のコートを着ていたサマンサが、動物愛護団体から赤いインクを投げつけられるシーン。

 

 

2015年9月に国連総会で採択された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals、通称SDGs)」では、2030年までに世界が達成すべき17の目標(Goal)を掲げています。

 

 

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持続可能な開発目標 | 国連開発計画(UNDP)

 

この17目標には貧困ゼロ、健康と福祉、ジェンダー平等、クリーンエネルギー、気候変動対策などの項目が含まれ、世界中の政府や企業がこの目標達成のために何ができるか考えています。

 

そして投資家たちは、SDGsの達成が新たな経済成長のチャンスになると考えています。

 

クリーンエネルギービジネスが盛んになれば新たな経済圏が生まれるし、気候変動対策をしないということは、気候災害による損失リスクを考慮しない経営をしているとみなされます。

 

たとえば、先日の台風21号で車がたくさん水没していましたが、社用車を何十台も保有していた企業はかなり大きな損失だったと思います。一般的な自動車保険では水害は免責事項なので保険は使えないですし、今まで起きなかった気候変動による災害がビジネス与えるリスク(影響)まで把握しておくことが、これからの企業経営には求められます。

 

投資家は企業にたいして、「自社ビジネスが環境に与えている影響を把握しているか?」といった質問をするようになりました。

 

環境問題や社会問題を起こすと企業の評判は下がり、商品が売れなくなってしまうので、そのリスクを把握していない企業に投資家は長期的な投資をしない、というもの。

 

「開発目標」というと、途上国を経済成長させることを思い浮かべますが、SDGsでは経済成長だけを考えるのではなく、地球環境や労働者の人権なども考慮した、持続可能な経済成長を目指しています。

 

先日亡くなった、元国連事務総長のコフィ・アナン氏が提唱したミレニアム開発目標(MDSs)の後継にあたる目標がSDGsです。

 

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ブランド価値を本当に下げるのは、低価格品の流通か、自己愛ゆえの余剰品処分か

SDGsという国際目標がスタートした2015年あたりから、企業を評価する軸が変わってきたように思います。

 

バーバリーの決断は、ブランド価値を守るために行っていた焼却処分を続けることが、長期的にみればブランド価値を下げることになると判断したからなんでしょうね。

 

バーバリーだけじゃない

限りある資源を消費しまくる時代は終わり、資源の有効活用や再利用が今の価値観のトレンド。

 

廃棄問題はバーバリーだけのことではありません。

 

私自身、衝動買いをして結局着なかった服を新品状態で処分したことがあるし、ストレス発散のためにファストファッションの服を使い捨てのように買っていた時期もありました。

 

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少し前にスーパーや飲食店のフードロスが話題になりましたが、衣料品も同じ問題を抱えていますね。

 

世の中色んなものが過剰な一方で、モノが行き渡らない国や地域がある。この不均衡をクリアした先に、まだ見たことのない世界が待っているのかな。

 

流行を生みだすファッション業界が、資源の有効活用や再利用というトレンドを取り入れ、産業構造を再構築できたら、変化は大きく、早いと期待しています。