Hasta mañana! また明日

カオスな思考を整理して自分再構築中。ブログタイトルはスペイン語で「また明日」の意味。


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読書録「ユダヤ人の歴史」レイモンド・P・シェインドリン

読んだ本の記録です。

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ユダヤ人の歴史

最近はさまざまな角度から歴史を学びたくて、歴史に関する書籍を読んでいます。ある特定の時代を集中的に学ぶというよりも、色んな切り口で歴史を学び直している感じ。

 

これまでに「砂糖の世界史」、「トウガラシの世界史」、レビューしてないけど「チョコレートの世界史」を読了。

これらの「モノ」は、世界中を移動しながら人の歴史に影響を与え、産業を形作ってきました。ある特定の「モノ」に定点を置いて、そこから世界がどのように変化してきたのかを覗くと、新たな気づきがたくさんあって面白い!

 

そんな感じで「モノの移動」という視点から世界史を学び直すのは発見があって面白いなーと思ったので、今度はモノではなく「ヒトの移動」を通じて歴史を見てみようと思い、この「ユダヤ人の歴史」を読みました。

 

読んだ時期、場所

    • 2019年3月
    • シンガポール

 

感想

まず率直な感想は、ユダヤ人というのは「逆境に強くて考え方がすごくポジティブなんだな」というもの。語彙力がなくめちゃくちゃ浅い感想ですが(笑)、シンプルにそう感じました。

 

ピンチをチャンスに変えるユダヤ人

 

なぜユダヤ人が逆境に強くてポジティブだと感じたのかというと、たとえば…

 

  • ユダヤの神殿を破壊された悲しい出来事。それさえも、

→ 集会での礼拝式ができなくなった

→ 個人レベルで責任を持って宗教を遂行する自律的な信仰の基盤にしちゃう。

 

  • 住んでいた地を追い出され続ける理不尽な出来事。それもまた、

→ 追い出され逃れた先でなんとか生き延びる

→ 移住先の統治者や有力者からユダヤ人が持つ優れた知識や言語能力、国際ネットワークが重宝されるようになり能力を認められちゃう。

 

  • 土地の所有と切り離された

→ 土地という有限の資産を持てないから商人や職人として身を立てる術を身につける

→ 奪われない・失われない「スキル」ときう最強の資産を手にしちゃう。

 

  • 嫌な仕事を押し付けられた

→ キリスト教徒を高利貸しの仕事に手を染めさせず 、ユダヤ人に忌むべき質屋の仕事に携わらせる中世社会の構図

→ 職業制限を逆手にとり、金融のプロになっちゃっう。

 

こんな感じで次から次へとやってくる逆境を乗り越え、ピンチをチャンスに変えて生き延び続ける、強くてポジティブな人たちなんだと思いました。生き抜く強さは相当なもの。

 

苦しい時も楽しむ心を忘れないユダヤ人

イタリア・ルネサンス期には「ゲットー」という壁に囲まれたユダヤ人だけの居住区に住むことを強いられたそう。このゲットーはたいへん狭く不衛生な場所だったにもかかわらず、当時のユダヤ人はルネサンス時代の華やかな礼儀作法、嗜好、知的活動、娯楽などを存分に生活に取り入れていたという。

どんなに不当な扱いを受けても、苦境続きでも、物事を嗜む余裕をもてるのは、自分を律して生きる芯の強さがあるからこそなのでしょう。そう思うと、もっと日々を丁寧に生きろ!と自分を叱咤したくなります…

 

ユダヤ人が嫌われてきた理由

長い歴史の中でユダヤ人が嫌われてきた理由ってなんなのだろう?と思っていましたが、それはどんなに改宗を迫られても、住んでいる地域を追い出されても、迫害され辛い状況であっても、その信念を曲げないユダヤ人の強い精神力とそれを育成するユダヤ教の教義に畏怖を抱かれていたのではないかと、この本を読んでその疑問が少し晴れたような気がします。

 

祈りを捧げる神殿を壊されても、教典タルムードを焼却されても、信仰から切り離そうとされても、職業の制限をされても、財産を取り上げられても、ユダヤ人であることをやめないユダヤ人。

 

国家や宗教という大きな力にも屈しず、ユダヤ人たるアイデンティティを失わない姿こそが恐れられ、迫害されてしまった理由だとすると、とても理不尽。理不尽だけどその理不尽に屈しない強さを持つ者を弱い人は恐ろしく感じるのだろうし、不安ゆえに力でねじ伏せようとしたのかもしれない。

 

究極的には「ユダヤ人」というアイデンティティへの固執を超越して、宗教や人種や土地などのラベルを全部取り払った人間としての強さを示しているようにも思える。苦難を乗り越え今も進化し続けるユダヤ人の歴史には、「いかに人類が生き延び進化するか」のヒントがたくさんある。

 

この本は歴史が中心で「教え」的なことは何も書かれていないので、それはまた別の機会に調べてみようと思います。

 

考察

2000年以上、国を持たず世界中を放浪しても薄れないアイデンティティの源は、エルサレムの士族であることだけではない。受け継がれてきた教えを、どんな日でも淡々と折り重ねていくことが、困難を生き抜く強さとなる。

 

どこでも生きていけるサバイバル力や強い生命力は力というのは、力が大きければいいというものではない。これはユダヤ人に限らず、日本人も同じことが言える。たとえ日本を離れても、日本で昔から受け継がれ幼少から習ってきた良い教えは、日本人の身に染み付いている。物を片付ける。約束を守る。相手を尊重する。謙虚でいる。調和を大切にする。感謝する。

 

こうした日本の美徳は世界でも評価されているから、「日本人は部屋を綺麗に使う」とか「日本人は支払いを滞納しない」などの良い評判につながり、それが日本人の信用力=日本ブランドとなっているのだろう。

 

最近は日本に誇りを持てなくなるようなニュースや意見も多く見られるし、実際そういった面もあると思いますが、この本を読んで気づいたことを見習って、日本文化や習慣の良いと思う長所は自分自身がしっかり実践して、強く生きる糧としていきたいと思う今日この頃です。