Hasta mañana! また明日

Hasta mañana(アスタ・マニャナ)=スペイン語で「また明日」という意味。


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読書録「本日は、お日柄もよく」浜田マハ

 

読んだ本の記録です。

 

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「本日は、お日柄もよく」

本書の主人公は、出席した幼馴染の結婚式で心に響く挨拶スピーチに出会う。そのスピーチを聞いたことをきっかけに、スピーチライターの道へと導かれる。無目的な腰掛けOLが、スピーチライターの師となる人と出逢い、目の前に転がってきたチャンスを掴み、優秀なライバルや仲間たちと我武者羅に進み、人生の向かう方向がどんどん変わっていく物語。

 

読んだ時期、場所

  • 2019年7月
  • スペイン バルセロナのビーチ、移動中、就寝前などなど

 

 

感想 

私自身、前職では広報として社長のスピーチ原稿や会社パンフレットの代表挨拶の草案などを書いていた。そのため自分と重ねてあわせてしまうところが多々あり、あっという間に読了した。

 

スピーチやメッセージというのは、自分が言いたいことをただ話せばいいのでない。思いを伝えたい相手の心に、届けなければ意味がない。どんな言葉で、どんなタイミングで、どんな姿勢で思いを届ければ、心にすっと入っていくのか。少し前まで毎日考えていたことを思い出した。

 

あの頃は脳みそがカスカスになるほど知恵を搾り出していた。計画を立て、戦略を練って、魂のぶつけ合いのような打ち合わせをして、そこからメッセージのエッセンスを抽出して、言葉を選んで、発信していた。

何度見返してもしっくりこない文章もあったし、時間ギリギリまで見直して最後の最後に大変な手入れをしたこともあった。常に必死だったけど、楽しかった。

 

だけどあの頃の私は、社長や役員の口から「ぜひこのひとことを言って欲しい」という思いが先行してしまい、打ち合わせの中でスピーカーの意図に傾聴し真意を汲み取ることが苦手だったように思う。

 

本書の中でも、

聞くことは、話すことよりもずっとエネルギーがいる。だけどその分、話すための勇気を得られるんだ、と思います

という一節がある。お年寄りの話をただひたすらに聞く、リスニングボランティアをする方のことば。全部受け止めたいという、思い。

 

言葉の持つ力を操ろうとする前に、しっかり相手のことを受け止める覚悟がないと、中身のない空虚な言葉の羅列になってしまう。身につまされる。気をつけたい。

 

この本はずいぶん前にKindleにダウンロードしていながら、読まないまま半年ほどが経っていたものです。先日知り合った女性と話をしたとき、ふいにこの本の話題になり、とてもいい話だったとおすすめされました。それがきっかけでやっと読む気になりました。2019年前半は歴史の学び直しをテーマに、歴史に関する本ばかり読んでいたので、2019年後半は小説なども読みたいなと思います。

 

「本日は、お日柄もよく」は、折りに触れて読み返したいと思う良書でした。